【ビジネス解読】TPP11、日韓通貨スワップ…日本に再びすり寄る韓国経済の“窮地” (2/4ページ)

日韓首脳会談に臨む安倍晋三首相(右)と韓国の文在寅大統領=5月9日、首相官邸(春名中撮影)
日韓首脳会談に臨む安倍晋三首相(右)と韓国の文在寅大統領=5月9日、首相官邸(春名中撮影)【拡大】

  • 日中韓サミットを前に記念撮影に臨む(左から)安倍晋三首相、韓国の文在寅大統領、中国の李克強首相=5月9日、東京・元赤坂の迎賓館(代表撮影)

 輸出比率の高い韓国はこれまでウォン安維持の介入をすることがあったが、為替条項が決まると、ウォン高局面でも介入などの対策が打ちにくくなる恐れがある。

 最大の貿易相手国だった中国との関係も、在韓米軍の高高度防衛ミサイル(THAAD)配備以降、悪化したままだ。

 さらに、韓国経済を支配してきた財閥グループの創業家に対し、国民の反感は大きくなっている。韓進(ハンジン)グループでは、中核の大韓航空の役員だった創業家姉妹によるパワハラ問題が相次ぎ発覚し、世論から「ナッツ姫」「水かけ姫」と批判された。ロッテグループでは、創業者次男の最高実力者が贈賄罪で実刑判決を受けた。サムスングループの経営トップも贈賄罪などに問われ、一、二審で有罪判決を受けて上告中。韓国の国内総生産(GDP)の約7割を占める財閥系企業が混乱すれば、韓国経済はたちまち失速してしまう。

 こうした“内憂外患”に見舞われる中、韓国政府は今春、TPPに関心を示し始めた。離脱した米国を除く11カ国は3月上旬、米国抜きのTPP新協定に署名。これを受け、韓国は交渉を主導する日本政府に事務レベルで接触し始めたという。

 韓国はこれまで、2国間のFTAを中心に自由貿易体制を築いてきた。TPPについては最大の貿易相手国である中国への配慮もあり、あえて加わらなかったとされる。

「日中」と「日韓」、温度差が浮き彫りに