対日投資、地方に広げる 政府が自治体の外国企業誘致支援

 平成29年末の対外純資産残高によると、海外の企業などから日本への投資などを示す対外負債残高は増加傾向にあるが、日本から海外への投資に比べればまだ大きな開きがある。政府は地方にも海外からの投資が広がるよう「サポートプログラム」(支援計画)を策定し、マッチング事業などを通じて外国企業誘致に取り組む自治体を後押ししたい考えだ。

 財務省によると、29年末の対外負債に含まれる対内直接投資残高は28・5兆円で、政府は「未来投資戦略2017」で32年までに35兆円へ増やす目標を掲げている。ただ、28年度末の国内にある外資系企業の所在地をみると、東京、神奈川、大阪の3都府県で全体の82・7%を占め、特に東京都には67・4%が集中。対内直接投資の目標達成には地方への投資拡大が課題となっている。

 こうした点を踏まえ、政府の対日直接投資推進会議が今月取りまとめたサポートプログラムでは、地域の強みを生かして外国企業を誘致したい自治体に対し、経済産業省と日本貿易振興機構(ジェトロ)が中心となり、国がワンストップで支援。具体的には、支援依頼があった自治体に誘致計画の策定段階からアドバイスしたり、地域に適した外国企業を引き合わせたりする。

 ジェトロは、対内直接投資拡大に向け、29年度から「外国企業パーソナルアドバイザー制」を導入。専任担当者が外国企業約1千社に規制や行政手続きなどに関して支援している。(桑原雄尚)