フィリピン人出稼ぎ先異変 中東で虐待問題、代替に中露脚光 (1/2ページ)

 フィリピンが海外出稼ぎ先として中東への依存を減らそうとするなか、代替国としてロシアや中国が注目を集めている。

 フィリピン労働・雇用省海外雇用庁(POEA)の責任者、バーナード・オラリア氏は首都マニラで取材に応じ、「ロシアは初めてフィリピン人に市場を開放しようとしている。彼らは私たちが中国と行っているような、政府間協力を望んでいる」と述べた。

 大統領が派遣禁止

 同氏によれば、ロシアは建設業やサービス業で熟練労働者を雇用しており、中国からは毎年2000人を超える英語教師の派遣依頼がある。チェコやイタリア半島の中東部にあるサン・マリノとも労働協定の締結を協議中だという。

 フィリピンの経済と通貨は何十年にもわたり、数百万人に上る海外出稼ぎ労働者からの送金に支えられてきた。世界銀行は2017年の送金額を330億ドル(約3兆6260億円)と推定しているが、これは国内総生産(GDP)の約10%に相当し、輸出に次ぐ大きな外貨獲得手段となっている。

 中東は16年の出稼ぎ地上勤務者が100万人超と全体の63%を占め、今でもフィリピン人海外出稼ぎ労働者の最大の渡航先だ。だが、クウェートでフィリピン人メイドが無残に殺害された事件などを受け、ドゥテルテ大統領は今年2月、同国への労働者派遣を禁止すると発表した。

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