資産運用1兆ドルクラブ目標 モルスタ、オーダーメード戦略進める

ゴーマン最高経営責任者
ゴーマン最高経営責任者【拡大】

  • ニューヨークにあるモルガン・スタンレーの本社(ブルームバーグ)

 米金融大手モルガン・スタンレーのゴーマン最高経営責任者(CEO)は5月に米投資信託協会(ICI)が主催したワシントンでの会議で、資産運用部門を「1兆ドル(約110兆500億円)クラブ」に仲間入りさせたいとの考えを示した。

 5~7年先の見通しを問われた同CEOは、資産運用部門の顧客資産を1兆ドルの水準まで増やしたいと表明。同社の主要3部門で一番小さい同部門の3月末時点の実績は4690億ドル。

 パッシブ戦略への投資家資金シフトに伴って資産運用会社には規模拡大とコスト削減を迫る圧力がかかり、業界では統合が相次いできた。ライバルのゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースの資産運用部門は資産規模がそれぞれ1兆ドルを超え、モルガン・スタンレーの部門には買収が必要ではないかと一部アナリストは問い掛けている。

 ゴーマンCEOは「ご存じのようにこの分野の取引は複雑で、企業文化の問題に行き着く。だが、私たちは多くの穴を埋めることが可能だ。資産運用は私たちが企業として現在有する最も重要な成長事業の一つだ。非常にわくわくしている」と語った。

 2008年当時、モルガン・スタンレーの運用資産は6000億ドル余りだった。金融危機後、同社はヴァン・カンペン・インベストメンツを含め1996年に買収した個人向け資産運用部門を売却。ゴーマンCEOはブルームバーグ・マーケッツ誌のインタビューで、「振り返ってみると、これが素晴らしいアイデアだったかどうかは分からない」と語っていた。

 同社は規模が小さめの買収を複数行い、昨年は資産50億ドル余りのクレジット投資会社取得で合意した。同CEOは、運用会社の全てのタイプに規模が必要なわけではなく、メザニンファイナンスやディストレスト債、不動産のようなオーダーメードの戦略は、より小規模の運用資産で対応することができると語った。

 同氏はブルームバーグ・マーケッツとの同インタビューで「一般的な常識は全くの間違いだ。資産運用は多くのビジネスの集合体であり、一部では規模が重視され、一部では全く問題にならない」と説明していた。

 それでも同社の資産運用部門は成長目標を下回っている。14年には当時の同部門責任者、グレッグ・フレミング氏が16年末までに5000億ドルに到達可能だと説明。現在もこの目標達成を目指している。(ブルームバーグ Ben Bain、Sonali Basak)