【G7サミット】自動車輸入制限でGDP0・1%下げも

 カナダ東部シャルルボワで開幕した先進7カ国(G7)首脳会議(サミット)の8日の討議では通商政策をめぐり米国と6カ国の意見が対立した。各国は引き続き一致点を探っているが、仮に「溝」が埋まらなければ、トランプ米大統領が自動車の輸入制限にも踏み切る懸念が強まる。自動車を輸出の基幹品とする日本への打撃は大きく、国内総生産(GDP)が0・1%下押しされるとの試算もある。

 トランプ氏は5月下旬、自動車の輸入増が安全保障上の脅威に相当しないか調査を指示した。25%の関税適用を検討しているとされる。今回のサミットで折り合いがつかず「貿易戦争」の機運が高まれば、米国による自動車への追加関税の現実味が増す。

 この場合、日本経済への悪影響は避けられない。財務省の貿易統計によると、昨年の日本からの輸出総額は78兆2865億円で、米国向けが15兆1135億円(総額の19・3%)と首位だった。この米国向けのうち、自動車は3割を占めトップの輸出品だ。

 柱である自動車の対米輸出が追加関税によって減れば、国内の関連産業の生産や雇用なども打撃を受ける。ドイツのIFO経済研究所が5月24日発表した試算によると、輸入制限が実行された場合、日本のGDPは、最大で0・1%分にあたる42億5600万ユーロ(約5490億円)減るという。

 日本自動車工業会の豊田章男会長(トヨタ自動車社長)は今月8日の声明で、自動車の輸入制限に「強い懸念」を表明。日本商工会議所の三村明夫会頭も5月24日の記者会見で「冷静な米国に戻ることを期待している」と述べた。産業界の死活問題となるだけに、G7がどこまで一致点を見いだせるか注目される。