トランプ氏も「シンゾー、どう思う?」 G7サミット、首相が議論主導 欧米間の「裁定役」に (2/2ページ)

集合写真に納まる(左から)EUのトゥスク大統領、メイ英首相、メルケル独首相、トランプ米大統領、カナダのトルドー首相、マクロン仏大統領、安倍晋三首相、イタリアのコンテ首相、ユンケル欧州委員長=8日、カナダ・シャルルボワ(代表撮影・共同)
集合写真に納まる(左から)EUのトゥスク大統領、メイ英首相、メルケル独首相、トランプ米大統領、カナダのトルドー首相、マクロン仏大統領、安倍晋三首相、イタリアのコンテ首相、ユンケル欧州委員長=8日、カナダ・シャルルボワ(代表撮影・共同)【拡大】

 「パリ協定なんてだめだ!」

 トランプ氏がこう断じると、フランスのマクロン大統領が顔を紅潮させてこう反撃した。

 「昨年のサミットの声明に、パリ協定を守ると書いているじゃないか」

 そこに今回のサミット議長で、本来は裁定役であるはずのトルドー氏まで食いついて議論を始める始末だから話は進まない。同行筋は「裁定役がいないから、最後はすべて安倍首相に頼ってくる」と苦笑する。

 貿易問題でも、各国が関税率などの数字を挙げてトランプ氏とやり合った。そしてトランプ氏が日本を除く5カ国の反発を受ける度に、困って振り向く先は安倍首相だった。

 「シンゾーの言うことに従う」「シンゾーはこれについてはどう思うか?」

 安倍首相も本来は欧州、カナダに近い立場だ。だが、世界貿易機関(WTO)に批判的なトランプ氏にも配慮し、言葉遣いを選んだ上でこう投げかけた。

 「WTO体制には機能が不十分な面も確かにある。できるだけルールを強化するのはどうか」

 するとトランプ氏は「う~ん」と言いながらも矛を収めた。ドイツのメルケル首相は、こう言いながら安倍首相にウインクした。

 「みんなでWTOを作ったのに、朝起きたらトランプ氏のツイッターで関税を25%かけられると知った。どうしたらいいの」

 結局、再び「シンゾーどうだ?」が繰り返され、トランプ氏は最後にこう言って去っていったという。

 「きょうは、素晴らしい会議だった」

 (ケベックシティー 田北真樹子)