新潟県知事選 与党、新潟での連敗ストップ “地上戦”に徹し“空中戦”僅差でかわす (2/2ページ)

当選確実の一報を受け、笑顔の花角英世氏=10日午後、新潟市中央区(宮崎瑞穂撮影)
当選確実の一報を受け、笑顔の花角英世氏=10日午後、新潟市中央区(宮崎瑞穂撮影)【拡大】

  • 当選確実の一報を受け、バンザイする花角英世氏(中央)=10日午後、新潟市中央区(宮崎瑞穂撮影)
  • 新潟県知事選で当選を決め、笑顔であいさつする花角英世氏=10日夜、新潟市中央区
  • 当選確実の一報を受け、バンザイする花角英世氏=10日午後、新潟市中央区(宮崎瑞穂撮影)
  • 当選確実の一報を受け、支持者らに迎えられる花角英世氏(右)=10日午後、新潟市中央区(宮崎瑞穂撮影)

 初当選を果たした元副知事で元海上保安庁次長の花角英世氏(60)は与党色を薄め、「県民党」で臨んだ。自民、公明の推薦は受けず、支持にとどめた。大物議員の応援演説はほとんどなく、新潟県入りしても組織固めの“黒子”に徹した。

 一方、元県議の池田千賀子氏(57)には最初の選挙サンデーから、野党5党1会派の国対委員長らが応援演説に駆けつけ、森友・加計学園問題を追及。官僚出身の花角氏を「官邸の言いなりになる」と批判した。2日には各党派の党首がそろい踏みした。市民団体の集会やSNS(会員制交流サイト)なども活用した。

 いわば、“地上戦”に徹した花角氏が、“空中戦”を仕掛ける池田氏をかわし、逃げ切った選挙戦だったといえる。

 「こんなにも大変な選挙とは全く思わなかった。なんとかゴールできた」。当選確実となり、新潟市内のホテルで万歳三唱を終えた花角氏は選挙戦を振り返った。与党も何とか勝利したとはいえ、結果は最後まで分からない僅差だった。来年の統一地方選や参院選では、野党統一候補と与党候補の事実上の一騎打ちが多発する見通しだが、与党にとって楽観視できる結果ではなかった。

 新潟県が抱えるのは、原発再稼働問題だけではない。人口減少や地盤沈下する経済、停滞する農業と課題が山積している。“花角丸”は船出するが、前途洋々とまでは言えない状況だ。(池田証志)