物価上昇鈍化の要因分析 日銀、今週の決定会合

 日米欧の中央銀行が今週相次いで金融政策を決定する会合を開く。14、15日に開かれる日銀の決定会合では、現行の大規模緩和を維持する見通しだが、足元では物価上昇が鈍化しており要因を分析する。7月の「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」では、今年度以降の物価見通しを引き下げる可能性があり、日銀が掲げる2%の物価上昇率目標は一段と遠のきそうだ。

 日銀の黒田東彦総裁は物価見通しについて「下振れリスクの方が大きい」と指摘する。実際、4月の全国消費者物価指数(生鮮食品除く)伸び率は0.7%と2カ月連続で縮小。5月も先行指標の東京都区部が3カ月連続で前月割れした。

 このため、決定会合では物価上昇の鈍化が一時的なものなのか、根強いデフレ心理や、賃上げの弱さといった従来の説明材料以外にも物価が伸びない要因があるのかを精査する見込みだ。

 今回の議論を踏まえ、7月の展望リポートでは前回4月に示した今年度の1.3%、2019、20年度の1.8%という物価上昇率の見通しを下方修正するとの見方が浮上している。物価上昇のペースが遅れれば大規模緩和を手じまいする出口戦略の行方も不透明になる。

 一方、米連邦準備制度理事会(FRB)は12、13日に連邦公開市場委員会(FOMC)を開く。3カ月ぶりの政策金利引き上げを決める見込みだが、年後半の利上げ回数が1回か2回かで見方が分かれる。利上げペースの加速が示されれば新興国から米国への資金流出が拡大する恐れがある。

 また、14日の欧州中央銀行(ECB)理事会では、国債を購入し市中に資金供給する量的緩和策の年内終了を決めるかどうかが焦点だ。イタリアの政局混乱で金融市場が動揺した直後とあって、判断を先送りするとの観測が出ている。