不動産投機抑制の試金石 海南省、頭金や居住期間厳格規制

不動産投機の規制が打ち出された海南省三亜の集合住宅群(ブルームバーグ)
不動産投機の規制が打ち出された海南省三亜の集合住宅群(ブルームバーグ)【拡大】

  • 中国・海南省の都市、三亜(ブルームバーグ)

 中国・海南省当局は不動産投機の沈静化に躍起となっている。同省は住宅購入者への居住期間条件や最大70%の頭金要件を設定したほか、転売禁止といった規制を導入。こうした国内最大級の住宅ブームに終止符を打とうとする省当局の取り組みが、中国の景気刺激策の結果としてほぼ必ず生じる住宅購入熱を抑制する新たなモデルとなる可能性がある。

 習近平国家主席は4月、新たな海南省の経済てこ入れ策を発表した。これに伴い導入された規制はバブル回避に向けた内容の厳しさだけでなく、実施されるまでのスピードも中国では異例だった。こうした規制策が奏功しつつある初期の兆しが現れているものの、一部の買い手はなお抜け穴を利用しているほか、他のホットな市場に移る買い手もおり、不動産投機への全国的な依存を解消しようとしている中国指導部の課題は尽きない。

 不動産情報・コンサルティングを手掛ける中国房産信息集団(チャイナ・リアル・エステート・インフォメーション)の調査ディレクター、ヤン・コウェイ氏は「こぼれた水のようだ。ここで止めても、そっちに流れる」と述べた。

 海南省が3月31日時点で打ち出した不動産抑制策は(1)非居住者が省内で購入できる住宅は1軒のみで、少なくとも70%の頭金支払いが必要(2)海口、三亜、瓊海の3大人気都市では、非居住者は税金や社会保険料の5年間の納付記録で就労実績を示すことが必要(3)全ての買い手を対象に、購入から5年以内の住宅の売却を禁止-の3点。

 4月22日時点では(1)非居住者が住宅購入資格を得るには、少なくとも2年間、省に税金を支払うことが必要。ただ、3大都市では引き続き5年間の納税が必要(2)数年分の税金を一括して支払うことにより、購入資格を得る慣行は明確に禁止-の2点が加わった。

 海南省の規制による影響が反映される最初の確固たるデータは、6月半ばに発表の中国の月間住宅価格統計だ。その間にも、一部の不動産業者は既に他の約束の地に狙いを定めている。

 チャオとだけ名乗ったある不動産業者は「ここではもはや暮らしにくくなった」として、同業者とともに海南省から広西チワン族自治区の港湾都市、北海市や内陸部の雲南省といった地域への移転を計画していると語った。(ブルームバーグ Emma Dong)