最優秀トレーダー候補登場 債券市場 4カ月でリターン2000%

 債券市場には早くも今年の最優秀トレーダーとなりそうな候補が登場した。このトレーダーはユーロドルオプション取引でわずか4カ月の間に2000%のリターンを挙げた。

 しかし、最も驚かされるのは、その結果を予測するのがいかに簡単だったかということかもしれない。つまり、この賭けは米連邦準備制度を信頼するというシンプルな方針に行き着く。

 今年初め、米政策金利の引き上げをめぐる債券トレーダーらの確信ははるかに低く、連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーの2018年の利上げ予想中央値が3回であるにもかかわらず、債券トレーダーは0.5%、回数にして2回の利上げを織り込んでいたにすぎなかった。ゴールドマン・サックス・グループを含む一部の銀行が4回の利上げを予想していたにもかかわらずだ。

 ここを好機とみたあるトレーダーは1月、弱気な「リスクリバーサル」を見込む19年3月物ユーロドルオプションの賭けで10万枚のブロック取引を実行。この取引に詳しいシカゴとロンドン、ニューヨークの複数のトレーダーによると、この賭けは1~3月期(第1四半期)に約30万枚に膨らんだ。

 言い換えれば、このポジション保有者は金融当局の予想を額面通り受け止め、相場が織り込んだ控えめな利上げ予想に対して反対の取引をしたまでだ。それを実行するためにこのトレーダーは19年3月物ユーロドルオプションのプット(売る権利)スプレッドを購入。一部の資金は同じ年限のコール(買う権利)を売却することで調達した。

 この10万枚のポジションはわずか0.5ティック、1回の取引で構築された。これは125万ドル(約1億3700万円)のプレミアムが支払われたことを意味する。取引に詳しい同トレーダーらによると、この賭けは11ティック付近で先週解消され、利幅は2000%のリターンに相当。全てのポジションが清算された場合、2600万ドルの利益をもたらすという。

 3つの権利行使価格のオプション建玉が急減したことを見れば、ポジションがどれくらい積極的に解消されているのかが分かる。ブルームバーグが集計したデータによると、権利行使価格97.50ドルと97.375ドルのプットの建玉は2月のピークから約半分になり、同98.00ドルのコールでは35%減った。

 当初からこの取引の勝者は明らかだった。唯一危険にさらされたのは、2月の早い時期に起きたボラティリティー(変動性)の急騰で市場が混乱したときだけだった。(ブルームバーグ Edward Bolingbroke)