神戸・六甲アイランドの中心施設で全テナント撤退へ 街開き30年で活性化に黄信号 (1/2ページ)


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  • 商業棟からテナントの完全撤退が決まった神戸ファッションプラザ。上層階がホテル、左奥に美術館がある=神戸市東灘区

 神戸市東灘区の人工島・六甲アイランド(六アイ)の大型複合施設「神戸ファッションプラザ」の商業棟から、最後のテナントの食品スーパーが撤退することが14日、分かった。所有者側のトラブルでエレベーターなどが停止している状況という。六アイは今年で街開きから30年を迎えたが、市は同施設を中心に島の発展を目指してきただけに、「街の活性化は非常に厳しい状況になった」と頭を抱えている。

 同施設は平成9年開業。大型映画館を擁する10階建ての商業棟のほか、美術館やホテルなどを併設し、全盛期には多くの市民でにぎわった。しかし、商業棟は利用者が伸びずに店舗の撤退が相次ぎ、今年4月からは1階のスーパーが唯一のテナントとなっていた。

 民間企業や市がそれぞれの施設の所有権を持ち、商業棟は昨年12月から「合同会社神戸ファッションプラザ」(東京)が所有。関係者によると、同社は管理委託料を滞納しており、今年5月22日に棟内の全エレベーターとエスカレーターが停止した。スーパーにとっては、地下駐車場や最寄り駅からの動線を止められたことになるため、同社に書面で何度も対応を要請したが返答はないという。

 スーパー側は「今後さらに利用者に不便をかける恐れがある」として、7月3日で閉店することを決めた。

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