「半導体のゴッドファーザー」正式引退

TSMCの全ての役職から正式に引退した張忠謀氏(ブルームバーグ)
TSMCの全ての役職から正式に引退した張忠謀氏(ブルームバーグ)【拡大】

  • TSMCが製造したシリコンウエハー(ブルームバーグ)

 「半導体のゴッドファーザー」と呼ばれた台湾積体電路製造(TSMC)の張忠謀董事長が正式に引退した。86歳の張氏は余生を、読書や自伝の執筆、妻との旅行などに充てるという。

 「聯合報」など台湾メディアが報じたところによると、張氏が率いたTSMCは、世界のウエハー受託生産の半分以上を占める。創業初期の従業員は約100人だったが、現在は約4万8000人。2017年の最終利益は3431億1000万台湾元(約1兆2700億円)と、台湾で最も稼ぎ、最も納税し、時価総額が最大の企業だ。

 張氏は1931年、中国浙江省寧波に生まれた。戦乱を逃れるため家族で移転し、米マサチューセッツ工科大(MIT)で機械工程を専攻した。米テキサス・インスツルメンツで副総裁まで務め、85年、台湾工業技術研究院院長に招かれた。その2年後、世界初の半導体受託生産企業としてTSMCを創業した。

 TSMCの誕生により、米クアルコムやインテルなどの半導体メーカーは設計に専念し、製造をTSMCに委託。こうした生産方式は半導体産業のイノベーションを加速させた。

 創業から約30年の今、TSMCは半導体受託生産の世界最大手。「ライバルを身震いさせる人物だ」。海外メディアはかつて、張氏をこう表現していた。(中国新聞社)