【マネー講座】《「もらう」相続》(4)〈事前の対策〉相続を“争族”にしないために (1/4ページ)

 最終回となる今回は、財産というバトンを上手に引き継ぐために、相続開始前にぜひ準備したいことについて説明します。(りそな銀行 折原和仁)

重要なのは節税よりも分割方法を定めること

 相続対策とは相続税を節税すること。財産を遺す人にはそう思っている人が少なくないようです。でも、相続を受ける人、たとえばあなただったら何を一番重視しますか?

私なら「欲しい財産を争いなく確実に手に入れること」を重視します。

 節税対策をしていたとしても、遺産分割協議が調わないかぎり、ほとんどの節税効果は絵に描いた餅になってしまいます。

 でも、相続人だけで円滑に遺産分割協議を調えるのはとても難しいことです。人間関係が一旦崩れてしまうと、話し合いの場に出て来なかったり、感情的になって一方的な主張を繰り返したりするなどして、話し合いが全く進まなくなることもしばしばです。そうなると争いが何年も続くことになってしまいます。

 だから、節税対策よりも「遺産分割協議をしないで相続できる方法」を準備しておく方が望ましいです。

親世代に遺言を書いてもらうことで争いを防止できる

 「遺産分割協議をしないで相続できる方法」として代表的なのは、財産を遺す人に遺言を書いてもらうことです。適切な内容の遺言があれば、相続争いを未然に防止することが可能です。

 また、遺産は相続人しか相続できませんが、遺言があれば、子が生きているときの孫など相続人以外の人にも遺産を引き継ぐことができます。

 通常使用される遺言の方式は「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3通りあります。

 自筆証書遺言は、全文を自書し、日付と氏名を記載して捺印します。

 公正証書遺言は、証人2名の立ち会いのもと、公証人に遺言の趣旨を口授し、公証人が筆記します。

 秘密証書遺言は、遺言書を作成して封入します。証人2名の立ち会いのもと、公証人に提出して封筒に署名します。

相続は財産のリレーのようなもの