IR実施法案と健康増進法改正案が衆院通過 今国会成立へ

特定複合観光施設区域整備法案(IR)が衆院本会議で可決され議場に一礼する石井啓一国土交通相=19日午後、国会(春名中撮影)
特定複合観光施設区域整備法案(IR)が衆院本会議で可決され議場に一礼する石井啓一国土交通相=19日午後、国会(春名中撮影)【拡大】

 衆院は19日の本会議で、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)実施法案と、受動喫煙対策を強化する健康増進法改正案について、与党などの賛成多数で可決した。与党は20日までの会期を延長し、両法案の今国会での成立を図る。

 IR実施法案は、政府が成長戦略の柱と位置づける重要法案。ギャンブル依存症対策として、日本人の入場回数を、週3回・月10回までに制限した。カジノ入場料は日本人から6千円を徴収する。

 IRの設置箇所は、当面3カ所を上限とし、最初の区域認定から7年後に箇所数の見直しを可能にする。

 健康増進法改正案は、学校や病院などの屋内は完全禁煙とするが、客席面積が100平方メートル以下で個人経営か中小企業の既存店については「喫煙」「分煙」と表示すれば喫煙を認めるとしている。

 政府は2020年東京五輪・パラリンピックまでの全面施行を目指す。東京都も対策強化の条例案を都議会定例会に提出している。

 衆院での法案審議時間は、IR実施法案が衆院内閣委員会で18時間10分、健康増進法改正案が衆院厚生労働委員会で11時間50分行われた。参院でもそれぞれ同程度の審議時間が必要になるとみられる。

 IR実施法案は今後、参院内閣委員会で審議される。ただ、同委は環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)関連法案など他の法案の審議が残されており、IR実施法案の審議入りは今月の最終週まで遅れる見込みだ。同法案をめぐる与野党攻防が終盤国会の大きな焦点になる。

 働き方改革関連法案は、与党が19日に予定した参院厚生労働委員会での採決を21日に先送りした。健康増進法改正案は、働き方改革関連法案の成立後に参院で審議入りする予定だ。