新しい社会的価値をチームでつくろう 今の日本に必要なロビー活動 (1/3ページ)

【安西洋之のローカリゼーションマップ】

 「日本の製造業は1985年以降、分野別売り上げと労働人口の10年毎の推移を見ると、自動車産業に極度に偏っています。それもだんだんと自動車部品の比率が高くなっているのですよ。ここに電子部品は入りません。それらは電機に分類されています」

 このようにプレゼンを切り出すのは、長く経済産業省で政府間交渉やロビー活動に関わってきた経済産業研究所フェローの藤井敏彦さんである。立命館大学東京キャンパスで開催された連続セミナーの最終日だ。

 藤井さんは「フランスとドイツは内燃機関の自動車を電気自動車に2040年までに置き換えると言っています。現在、大きな割合を占めている自動車部品は、電気自動車では不要になる部品です。日本ほど経済が自動車産業に頼っている国は他にありません」と語る。

 変化は電気自動車からだけではない。カーシェアリングのウーバーは、クルマの台数を減らすことで社会の環境負担を減らす、というヴィジョンをもち、それを各国政府へのロビー活動で合法化するように動いてきた結果のビジネスである。

 しかし根本の問題は、自動車業界に限らない。

 「我が社は良い製品を作り続け社会に貢献する」との態度でビジネスを継続していく限界にさしかかっているのだ。自社の製品やサービスを発想の起点とするのではなく、社会の価値自体を作り出し、それを普及させる術をもたないと新しいビジネスを作れない。

 「ロビー産業は今、活性化しており、ワシントンより(EUのルールメイキングに関わる)ブラッセル(ブリュッセル)の方がロビイストの数が多いのです」と藤井さんは指摘する。

企業が主体となって社会を作れ