米、ZTE制裁を暫定解除 7月末まで

 【ワシントン=塩原永久】トランプ米政権は3日までに、中国通信機器大手の中興通訊(ZTE)に対する制裁措置を暫定的に解除した。今月末までの期限付きで、ZTEが最小限の業務を再開するために必要な取引を認めたという。ロイター通信などが報じた。

 報道によると、ZTEに対する制裁措置を管轄する米商務省が2日付で、ZTEの制裁を暫定解除する指示を出した。ただ、ZTEに「限られた活動」(ロイター)しか認めない内容である上、恒久的な制裁解除となるかは未定だという。

 ZTEは、北朝鮮やイランに関する米制裁に違反したとして、4月から米企業との取引が禁止された。米国からの部品供給が途絶えたZTEは、スマートフォンの製造・販売などの主要業務の一部停止に追い込まれていた。

 ロス米商務長官は先月、制裁解除の条件として、ZTEが10億ドルの罰金の支払いや、経営陣の全面的な刷新に合意したと発表していた。トランプ政権は、中国の知的財産侵害をめぐり、今月6日に巨額の対中制裁の関税措置を発動する予定。中国も同等の報復発動を表明しており、米中間の緊張が高まっている。