貿易摩擦、中国「製造強国」戦略に暗雲 “低姿勢”へ揺り戻しも (1/2ページ)

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 中国当局は発展戦略「中国製造2025」をトランプ米政権が阻止しようとする動きに対し、危機感を募らせている。製造業の高性能・高価格化が進まなければ、習近平国家主席が唱える「強国」「強軍」路線に大きな影響を与えかねず、経済成長が停滞して先進国入りできない「中進国のわな」に陥る危険性も強まるためだ。

 「他国による経済構造のグレードアップを制限するのは、他国人民がよい生活を追求する権利を認めないのに等しい」。銀行と保険の監督当局「銀行保険監督管理委員会」の郭樹清主席は5日に発表した声明で米国を批判した。

 ただ、中国製造2025は純粋な経済発展戦略にとどまらず、国家主義の色彩も強い。国際競争力を備えた製造業の育成が「総合国力を引き上げ、国家安全を保障」すると言及し、情報技術やロボット、ハイテク船舶、航空宇宙機器など重点分野の多くは軍事転用が可能だ。民間の技術力を軍事利用する「軍民融合」の促進も明記され、米側の警戒感を高める要因となった。

 米国の圧力により、同戦略は大規模な見直しを迫られそうだ。中国人民大学米国研究センター主任の時殷弘教授は、フジサンケイビジネスアイの取材に対し、貿易戦争の勃発は中国の経済と金融に大きな損害をもたらすと指摘。「中国は今後も国家の強力な計画と行動、投資を通じて、最先端の技術力を持つ経済強国を目指すだろう。この目標は変わらない」と分析する。

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