貿易摩擦、世界経済の成長に下押し圧力 「世界1、2の経済規模」米中が示す影響力 (1/2ページ)

米中貿易摩擦への懸念から、中国の株式市場は一時、下落幅が拡大した(AP)
米中貿易摩擦への懸念から、中国の株式市場は一時、下落幅が拡大した(AP)【拡大】

 米中両国が追加関税を課す制裁措置を発動したことで、世界1、2位の経済規模を誇る米中の景気悪化や企業活動の縮小などを通じ、日本をはじめとする世界経済の成長を下押しする恐れが出てきた。さらにトランプ米政権が検討する自動車の輸入制限が発動されれば報復措置の応酬となり、世界経済に甚大な悪影響を及ぼしかねない。

 「経済合理性がないため、実際には制裁を発動しないと思っていた」。大和総研の小林俊介エコノミストは、米国の制裁措置発動に驚きを隠さない。

 米中が互いに高関税を掛け合うことで輸入価格が上昇し、米中の個人消費には下押し圧力が加わる。モノが売れなくなると企業の生産も設備投資も抑制され、雇用にも悪影響が及ぶ。

 大和総研は米中の制裁発動による国内総生産(GDP)のマイナス効果を、米国が0.06%、中国は0.1%と試算。国際分業が進んだ結果、米中の貿易縮小に伴い、世界のGDPにも0.04%のマイナス要因となる。

 日本も例外ではない。米中の需要減少などを通じて、輸出主導型の日本経済も打撃を受ける。日本は中国の組み立て拠点に部品を輸出し、最終製品を米国に輸出するケースも多く、日本のGDPに0.01%の下押し要因となる。さらに影響が大きいのが、米国が検討する自動車に高関税を課す輸入制限だ。実際に発動されれば、GDPを0.4%押し下げるとみられる。

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