その横倉氏も高齢で、2年後の次期会長選には出馬しないとみられており、神通力に陰りが出てきたと取られてもおかしくない。団塊の世代が75歳以上の後期高齢者入りする平成34年以降、社会保障費は急増する見通しで、制度改革も待ったなしだが、横倉氏のパワーダウンで日医が単なる“抵抗勢力”に成り下がることになれば改革の遅れは必至となる。
今後は「ポスト横倉」も焦点になってくる。横倉氏は自身の後継者について、役員選後の記者会見で、今回当選を果たした3人の副会長を候補として挙げたほか、「全国の都道府県医師会長の中にも日医をリードできる方たちがたくさんいる」と強調した。
「ポスト横倉」の行方は日本の社会保障改革の行方も左右しそうだ。(桑原雄尚)
■日本医師会 医師が個人の資格で加入する民間の学術専門団体で、会員は約16万7000人。大正5年に北里柴三郎らによって設立され、昭和22年には社団法人として、平成25年には公益社団法人として認められた。47都道府県医師会の会員から構成され、開業医約8万4000人、勤務医約8万3000人(平成27年12月1日現在)。