【経済インサイド】日本医師会、「推薦なし」副会長当選の“波乱” 社会保障改革に影響も (3/3ページ)

日本医師会の役員選を終え、松原謙二氏(左端)ら副会長3人と握手する横倉義武会長(右から2人目)=6月23日、東京・本駒込の日本医師会館(桑原雄尚撮影)
日本医師会の役員選を終え、松原謙二氏(左端)ら副会長3人と握手する横倉義武会長(右から2人目)=6月23日、東京・本駒込の日本医師会館(桑原雄尚撮影)【拡大】

  • 日本医師会の役員選を終え、記者会見する横倉義武会長=6月23日午後、東京・本駒込の日本医師会館(桑原雄尚撮影)
  • 横倉義武氏
  • 日本医師会の役員選後の選対本部報告会で、(左から)横倉義武会長、中川俊男、今村聡両副会長とともに当選のあいさつをする松原謙二副会長=6月23日夜、東京・虎ノ門のホテルオークラ東京(桑原雄尚撮影)

 その横倉氏も高齢で、2年後の次期会長選には出馬しないとみられており、神通力に陰りが出てきたと取られてもおかしくない。団塊の世代が75歳以上の後期高齢者入りする平成34年以降、社会保障費は急増する見通しで、制度改革も待ったなしだが、横倉氏のパワーダウンで日医が単なる“抵抗勢力”に成り下がることになれば改革の遅れは必至となる。

 今後は「ポスト横倉」も焦点になってくる。横倉氏は自身の後継者について、役員選後の記者会見で、今回当選を果たした3人の副会長を候補として挙げたほか、「全国の都道府県医師会長の中にも日医をリードできる方たちがたくさんいる」と強調した。

 「ポスト横倉」の行方は日本の社会保障改革の行方も左右しそうだ。(桑原雄尚)

 ■日本医師会 医師が個人の資格で加入する民間の学術専門団体で、会員は約16万7000人。大正5年に北里柴三郎らによって設立され、昭和22年には社団法人として、平成25年には公益社団法人として認められた。47都道府県医師会の会員から構成され、開業医約8万4000人、勤務医約8万3000人(平成27年12月1日現在)。