【大学発 日本 人と技術】日本を支える研究活動と技術開発

原子力・放射線に関する教育・研究が行われる東京都市大学原子力研究所=川崎市麻生区
原子力・放射線に関する教育・研究が行われる東京都市大学原子力研究所=川崎市麻生区【拡大】

  • 自動運転実験車と社長に就任した渡部大志工学部教授
  • 金沢工業大学の技術支援のもとリコーが開発した脳磁計測システム「RICOHMEG」
  • 「地球環境を探る」公開講座

 ■「原子力人材入試」新設 安全の担い手育成へ

 ≪東京都市大学≫

 2019年度入試から新たに原子力・放射線関係の知識や技能などの修得を目指す人を対象とした「原子力人材入試」を設ける。

 同大は半世紀以上にわたり原子力や放射線分野の研究を行い、また2008年には工学部に原子力安全工学科を設置して、より安全な未来社会を創造するための技術者育成にあたってきた。一方、東日本大震災での東京電力福島第1原発の事故以降、原子力発電に対する関心は国民レベルで高まり、高度な知識と使命感を持った原子力技術者の育成が求められている。

 こうした背景の中、社会的な関心と要請に応えるため、同入試を通じ、原子力安全工学科に十分な知識と使命感を有した人材を求めることにした。11月18日に実施される試験では原子力や放射線に関する課題レポートと面接を中心に選考が行われる。

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 ■自動運転の大学発ベンチャー設立

 ≪埼玉工業大学≫

 自動運転技術の研究・開発を産学連携で推進する大学発ベンチャー「フィールドオート」を6月26日に埼玉県深谷市のキャンパス内に設立した。自動運転の実証実験に関する大学発ベンチャーは私立大学初の試みで、全国の自治体や運輸業者らが進める実証実験のサポート業務に力を入れる方針だ。

 新会社の社長には工学部情報システム学科の渡部大志教授が就任した。学生も活動に参加し、向こう3年間で30件の受託を見込む。これまで同大の研究で培ってきた自動運転実証実験の経験・ノウハウを生かして、オープンソースの自動運転ソフトウェアを開発・提供するティアフォー(名古屋市中村区)と連携し、自動運転実証実験の支援を中心に事業展開する。

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 ■技術支援した「脳磁計測システム」販売開始

 ≪金沢工業大学≫

 同大先端電子技術応用研究所の技術支援のもと、リコーが開発した脳磁計測システム「RICOH MEG」の国内販売が始まり、熊谷総合病院(埼玉県熊谷市)に7月に新設された「PET総合検診棟」に採用された。質の高い検査で病気の早期発見、早期治療、治療効果の判定までを可能にするものとして期待されている。同研究所は超伝導を利用した高感度の磁気センサー(SQUID)の研究開発に1998年から取り組んでいる。このセンサーを利用してヒトの脳や脊髄の神経が発する極微弱な磁場(地磁気の10億分の1程度)を計測する研究に加え、測定された磁場を正しく校正して、磁場の源である神経電流の位置と大きさを推定する技術を開発している。

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 ■「地球環境を探る」公開講座が盛況

 ≪広島工業大学≫

 「地球環境を探る-環境変化や自然災害を知り、環境共生を考えよう-」をテーマにした公開講座を、広島市中区の県民文化センター内のサテライトキャンパスひろしまで開催した。5月から6月にかけ3週連続の計6講座を実施。市民ら延べ約560人が受講し、熱心に耳を傾けた。

 講師は同大の教員が担当し、リモートセンシング技術や衛星データの活用による環境モニタリングなどを紹介。市民に関心の高い地球規模の気候変化の現状や線状降水帯の発生メカニズムなども分かりやすく解説した。

 また、環境保全と人々の安全・安心な暮らしの両立問題も取り上げ、「生殖細胞と環境ストレス」では環境汚染がもたらす生殖細胞の機能低下、「大津波から蘇る海岸生態系の今」では、東日本大震災による津波被害を受けた地域における海浜植物の現状を発表した。

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 ■ナノメートルの世界で働く微弱な力を検出

 ≪東京理科大学≫

 理学部第二部化学科の佐竹彰治教授は、開発した「分子と液体に働くファンデルワールス相互作用を見る指示薬」を使って、機能性分子のポルフィリンとそれを取り巻く溶媒間に働く微弱な力を検出することに成功した。

 今回の指示薬とその原理は、さまざまな液体中の物質の溶解や凝集現象、各種溶媒効果を理解するうえで、重要な手段になると考えられている。今後、この微弱な力の強度を測り、ファンデルワールス相互作用に関する溶媒の新しい指標を作ることが目標。指標を提供できれば、溶液が関与する現象、例えば化学平衡や化学反応の選択性を制御することに役立ち、有機合成化学にとどまらず、広く科学の発展に対して貢献できるとみている。また、今回の指示薬は、万物に存在するファンデルワールス力を巧みに利用した人工超分子素子の開発にも大いに貢献すると期待している。

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 ■ソーラーチームの4度目優勝に期待

 ≪工学院大学≫

 学生プロジェクトの「工学院大学ソーラーチーム」が、8月7日から大潟村ソーラースポーツライン(秋田県大潟村)で開催される「ワールド・グリーン・チャレンジ」のチャレンジャー・クラスに参戦する。チームは同大会に隔年で参戦、2012年、2014年、2016年大会に続く4度目の優勝が期待されている。

 このレースは、オーストラリアで隔年開催される世界最大級のソーラーカーレース「ブリヂストンワールドソーラーチャレンジ」に準拠したレギュレーションで行われ、世界の頂点を目指すチームがベンチマークとする重要な大会となっている。

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 ■世界最大級の「組み込み技術・IoT展」に出展

 ≪大阪電気通信大学≫

 総合情報学部情報学科の南角茂樹研究室が、7月5、6日に大阪市北区のグランフロント大阪で開催された「Embedded Technology West2018/IoT Technology West2018(組み込み総合技術展&IoT総合技術展関西)」出展した。

 ETは「組み込みシステム技術」や「IoT技術」に特化した世界最大級のイベントで、多くの注目企業による技術やソリューション展示、旬の技術テーマを中心とした多彩なカンファレンスを通じて、最先端技術を発信する場となっており、同研究室の大学院生が、組み込みリアルタイムシステムについての研究発表を行った。また、南角教授は昨年からETWestの実行委員長も務めており、6日のテクニカルセッションでは講演も行った。

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【ガイド】

 工学院大学    E-mail:gakuen_koho@sc.kogakuin.ac.jp

 芝浦工業大学   E-mail:koho@ow.shibaura-it.ac.jp

 千葉工業大学   E-mail:cit@it-chiba.ac.jp

 東京電機大学   E-mail:keiei@jim.dendai.ac.jp

 東京理科大学   E-mail:koho@admin.tus.ac.jp

 東京都市大学   E-mail:toshidai-pr@tcu.ac.jp

 大阪工業大学   E-mail:kikakuka@ofc.oit.ac.jp

 大阪電気通信大学 E-mail:kouhou@mc2.osakac.ac.jp

 金沢工業大学   E-mail:koho@kanazawa-it.ac.jp

 豊田工業大学   E-mail:s-koho@toyota-ti.ac.jp

 広島工業大学   E-mail:kouhou@it-hiroshima.ac.jp

 愛知工業大学   E-mail:d-koho@aitech.ac.jp

 埼玉工業大学   E-mail:kikaku@sit.ac.jp