在任期間3年、歴代最強の大物と称された森信親金融庁長官が退任。その後任に遠藤俊英監督局長が7月17日付で昇格した。同時に、金融庁は発足以来となる大規模な組織改正を行った。それまでの総務企画、監督、検査の3局体制を、総合政策、企業市場、監督の3局体制に組み替え、局長も一新した。
金融庁は、この組織改革直前の7月4日に「金融庁の改革について」「当面の人事基本方針」「当面のガバナンス基本方針」と題する行政のプリンシプルと言っていい、一連の文書を発表している。
この文章は「金融庁の改革が逆戻りしないよう。森前長官の強い意思が感じられる文章」(メガバンク幹部)と受け止められており、遠藤体制においても、このプリンシプルに基づく行政スタンスが維持されるとみられる。
その遠藤体制において中核テーマとなるのは、やはり森前長官が最も腐心した地銀の統合・再編となろう。なかでも、公正取引委員会の審査が長引いている、ふくおかフィナンシャルグループ(FFG)傘下の親和銀行と十八銀行の統合が先例となる。
この点、全国銀行協会の藤原弘治会長(みずほ銀行頭取)は7月19日の記者会見で、地銀の再編について聞かれ、次のように指摘した点を注目している。