日米新通商協議が初会合 日米「TPP」と「2国間」で隔たり 茂木氏「率直な意見交換できた」と2日目も継続

日米の新たな閣僚級貿易協議の開催前に記者団の取材に応じる茂木経済再生相=9日、ワシントン(共同)
日米の新たな閣僚級貿易協議の開催前に記者団の取材に応じる茂木経済再生相=9日、ワシントン(共同)【拡大】

  • 日米の新たな閣僚級貿易協議に臨む茂木経済再生相(右)とライトハイザー米通商代表部代表(手前左)=9日、ワシントン(代表撮影・共同)

 【ワシントン=塩原永久】日米両政府は9日(日本時間10日)、閣僚級の新たな通商協議の初会合を米ワシントンで開いた。終了後に記者会見した茂木敏充経済再生担当相によると、日本が米国の環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)復帰を求めたのに対し、米側は2国間協議を重視する立場を改めて強調した。協議は10日も継続する。

 協議は米通商代表部(USTR)で開催。冒頭の約20分に事務方が入ったが、その後の約2時間に渡り、茂木氏とUSTRのライトハイザー代表の2閣僚だけで話し合った。

 協議後、茂木氏は「率直な意見交換ができた。相当幅広い議論をした」と語った。この先の協議日程に関連して「早期に成果を出したいという考え方を共有した」とも述べた。

 トランプ米政権は対日貿易赤字の縮小や、農業をはじめとする市場開放を求めている。政権内には日本との自由貿易協定(FTA)を求める声が根強い。

 この日の協議では、ライトハイザー氏が「2国間という言葉を使った」(茂木氏)ものの、FTA協議入りを要求する直接的な言及はなかったもようだ。

 米政権は自動車・部品に追加関税を課す輸入制限を検討している。自動車を基幹産業とする日本としては、米国による関税発動を回避したい考え。自動車関税に関する議論があったかとの報道陣の質問に対し、茂木氏は「今回の協議終了後に話せるところは話す」と述べるにとどめた。