【日曜経済講座】人手不足で注目のキャリア層 45歳以上は現代版「金の卵」 フジサンケイビジネスアイ編集委員 大塚昌吾 (1/5ページ)


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  • 埼玉県内の組み立て工場で働く従業員ら。45歳以上の中高年層には、培った経験などを生かした専門能力の発揮が期待されている(ロイター)

 業績悪化を理由に企業が中高年層に希望退職を募り、指名解雇が社会問題化した時代は、今は昔…。深刻な人手不足を背景に、ミドル、シニア世代は転職市場でキャリア人材として注目され、「社外への人材流出が経営リスクに直結する」と考える企業が、処遇改善によるつなぎ止めに動いている。65歳定年で45歳が会社人生の折り返し点に位置付けられたこともあり、45歳以上の現代版「金の卵」の活用が、生産性向上を目指す企業の常識になりつつある。

 東京五輪が開催された昭和39年当時、地方から上京する中学卒の集団就職者は「金の卵」と呼ばれ、高度経済成長を支えた。それが今では少子化による人手不足と長引く低成長で、「45歳以上」が、限られた人員で生産性を維持するのに不可欠な現代版「金の卵」、あるいは「銀の卵」と言われる存在になった。

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