【経済インサイド】新人の「電話対応業務」削減は効率化か怠慢か? 財務省内で侃々諤々の議論 (1/3ページ)

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  • 記者会見する岡本薫明財務事務次官=7月27日、財務省
  • 4月18日にセクハラ問題で辞意を表明した福田淳一前事務次官(春名中撮影)
  • 財務省参与に就任したボストンコンサルティンググループの秋池玲子シニア・パートナー&マネージング・ディレクター

 国民からの電話対応業務を減らすことは業務改善か怠慢か-。森友学園に絡む決裁文書の改竄(かいざん)や福田淳一前事務次官のセクハラなど不祥事が相次いだ財務省内の一部でこんな議論がわき起こっている。同省への電話による問い合わせは担当課の新人が対応するが、時には苦情に近い内容への対応で1~2時間費やし、閉口することもあるとか…。労働時間管理など働き方改革も急務な昨今、この業務をどう判断するかで賛否が割れる。

 「問い合わせでなくて、文句や苦情といった内容のものも多い。忍耐力はつくが人材を育てる観点では電話対応業務を従来通り続けることには疑問もある」

 そう話すのは、40代の女性職員。自身も新人時代には国民から2時間近いクレームを電話で受けた経験がある。「2時間も丁寧に対応したのに、最後は相手の男性に『女性のくせに残業するな』と理不尽なことを言われたこともある」と苦笑いする。「労働時間短縮にも寄与する」と新人の電話対応は極力減らすことに賛同する1人だ。

 また、主税局の40代男性職員も「年末の税制改正など多忙な時期に1時間以上も電話対応している新人をみると、さすがにかわいそうになる」と話す。「国税庁のようにコールセンターを置いて、電話対応が困難な場合は事前予約で所轄の担当者が相談する方法などを考えてもいい気がする」と提案する。

「株で大損した。今から自殺する」と電話も…