中国に巨額債務の呪縛 リーマン時の景気刺激で貿易戦争対応に苦慮 (1/3ページ)

中国・上海南部の洋山深水港。10年前のリーマン・ショック直後の景気対策が現在の中国経済に影を落としている(ブルームバーグ)
中国・上海南部の洋山深水港。10年前のリーマン・ショック直後の景気対策が現在の中国経済に影を落としている(ブルームバーグ)【拡大】

 10年前のリーマン・ショックを受け、中国は巨額の景気刺激策を発動し世界金融危機の自国への波及を阻止したが、米トランプ政権から関税攻勢を受ける現在、同様の自己防衛策を講じるのは至難の業だ。経済の腰折れ回避には積極的な財政出動しかないと結論付けたとしても、10年前の景気対策による負の遺産である巨額債務が足かせになっているからだ。

GDP比260%余り

 債務総額は対国内総生産(GDP)比260%余りと、2008年に比べ大幅に膨らんでいる。習政権はこの2年にわたり与信の伸びを抑える取り組みを進めてきた。貿易摩擦激化に伴う景気減速への対応が政策当局にとって難しい作業になっている。

 JPモルガン・チェースの中国担当チーフエコノミスト、朱海斌氏(香港在勤)は「中国には『国内の経済活動が弱く、関税をめぐる争いは激化しており、景気減速を防ぐため、より積極的に対処すべきだ』と訴えるロビー圧力が非常に強い」と指摘。その一方で、「レバレッジ(借り入れによる投資)削減の取り組みをやめ、これまでとは逆の方向に動けば中国にとって政策上最大の誤りになる恐れがある」とも話す。

 堅調な世界貿易の後押しを受け、18年の中国経済は好スタートを切った。だが、与信抑制の取り組みによる予期せぬ大きな影響が表れ始めたところに、米国による中国製品500億ドル(約5兆6000億円)相当の追加関税発動や2000億ドル相当へのさらなる関税計画が重なり、中国株や人民元相場は大きく下げることになった。

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