貿易摩擦激化も日本株に勢い 企業好調で割安感 (1/2ページ)


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  • 米中の貿易摩擦は激化しているが、日本企業の業績は好調で、株価は割安感が強い(ロイター)

 東京株式市場に勢いが出てきた。日経平均株価は5月下旬からの壁だった終値の2万3千円を突破すると、トランプ米政権による中国への追加関税発表も尻目に2万4千円近くまで伸ばした。貿易摩擦が激化する中でも、企業業績が好調な日本株に対する割安感が意識されているためだ。株価は例年、年末にかけて高値を目指す傾向があり、年初来高値も視野に入ってきた。(佐久間修志)

 21日の平均株価は前日比195円00銭高の2万3869円93銭で取引を終えた。電機や自動車など幅広い銘柄に買いが入り6営業日続伸。14日に終値ベースで2万3千円を回復すると右肩上がりに上昇し、6日間の上げ幅は1200円を超えた。市場関係者は「海外投機筋から断続的に買いが入った」と話す。

 今月半ばまで米中貿易摩擦への警戒感が上値を抑えていたが、17日に米政府が発表した中国への追加関税の上乗せ分は想定された25%でなく当面10%。中国側の報復措置も穏当とみなされた。今は「追加関税で米中双方が日本からの輸入を増やすとの“漁夫の利”論さえ浮上している」(楽天証券経済研究所の窪田真之チーフ・ストラテジスト)。

 リスク姿勢を強めた投資家の目は割安株の物色に向き始めた。日本株は3月期決算企業の平成30年4~6月期決算が絶好調にもかかわらず上値が抑えられ、足元の平均株価の1株当たり予想収益率(PER)は、アベノミクス相場平均の14~16倍に対して13倍台で推移。自民党総裁選での安倍晋三首相の3選も「日本買い」を後押ししている。

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