米利上げ打ち止め示唆 日本の景気拡大に黄信号 (1/2ページ)

米国の政策金利は2%を超えた
米国の政策金利は2%を超えた【拡大】

 米連邦準備制度理事会(FRB)が26日開いた連邦公開市場委員会(FOMC)では、2020年に利上げが停止になる可能性が示唆された。市場では先行きの利上げ打ち止めが意識されることで、米長期金利に低下圧力がかかりやすくなりそうだ。日米の金利差が縮小すれば、貿易摩擦の影響とダブルパンチで円高リスクとなり、日本経済の失速につながりかねない。

 市場では今回のFOMCで政策金利が0・25%引き上げられることは織り込み済み。しかし、焦点だった今後の利上げペースでは初めて公表された21年が0回となったほか、声明文から「金融政策のスタンスは引き続き緩和的である」との文言が削除された。第一生命経済研究所の藤代宏一主任エコノミストは「米金融政策の転換点が近いというシグナルになった」と指摘する。

 FRBは景気に対して引き締め的でも緩和的でもない「中立金利」を3%程度とみている。今の利上げペースが続けば、19年半ばにも中立金利に達する見通しだ。このため、20年までに5回の利上げが示されているものの、市場では「19年中にも利上げを打ち切るのではないか」との見方も強まっている。

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