世界貿易伸び率を下方修正 WTO「米中の通商紛争が影響」

 世界貿易機関(WTO)は27日、世界のモノの貿易見通しを発表した。米中の通商紛争などの影響で、2018年の伸び率を4月時点から0・5ポイント下方修正し、前年比3・9%と予測した。19年も0・3ポイント低い3・7%とした。

 アゼベド事務局長は引き下げの理由について「貿易を巡る主要国間の緊張を反映している」と指摘、各国政府に緊張緩和に向けた努力を求めた。

 発表によると、18年上半期の世界貿易は輸出入とも好調で前年同期から3・8%伸びた。特に北米は4・8%増え、アジアも4・2%増だった。

 一方で8月には輸出注文に関する指数が低下、各国の経済政策の安定性を示す指数も低くなっており、貿易への影響が出始めていると分析した。(共同)