IMF報告で警告 金融リスク、投資家は無関心 (1/2ページ)

 国際通貨基金(IMF)は10日公表した最新の金融安定報告で、金融環境が急激に引き締まり、世界経済に衝撃を与えるリスクは投資家に無視されている恐れがあると警告した。

 この中で「資産価格評価は一部市場、特に米国で相対的に高いように見受けられる」とし、「市場参加者は総じて、金融環境が急激に引き締まるリスクに対して関心がないようにみられる」と指摘した。

 「世界の金融安定に対する短期的なリスクがやや高まった」「金利は歴史的に見て依然低く、金融環境は引き続き成長を支えている」などと分析した。その一方で、多くの市場でバリュエーション(割高か割安かの価値評価)の水増しの動きが進んでいるとして、米株式市場を筆頭に挙げ、米株相場は金融危機前のバリュエーションを「大きく超えている」と指摘した。

 また、市場のボラティリティー(振幅)は低過ぎるように見受けられ、高利回り社債のスプレッドは歴史的な低水準にあると分析。オーストラリアやカナダ、北欧諸国など一部の先進国・地域の住宅価格はフロス(小さな泡)の状態とみられるとも指摘した。

 トビアス・エイドリアン金融資本市場局長は報告公表前にワシントンで記者団に「一部の先進国・地域で投資家は自信過剰となり、慢心している可能性さえある」と語った。

 今年はリーマン・ブラザーズ破綻から10年にあたる。IMFは銀行システムは強化されたものの、新たなリスクが浮上し、「世界の金融システムの耐久力はまだ試されていない」と指摘。危機後に敷かれた規制を緩和するのは間違いだと一部の国に警告した。

 IMFは新興経済国の金融環境が4月半ば以降に引き締まったと指摘。全体的な新興国のリスクはなお、「歴史的な水準に比べて穏やか」との認識も示した。一方で、新興国の債務は増え続けており、先進国の中央銀行による金利引き上げに伴い「厳しい状況が続く公算は大きい」との見解を示した。

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