外資の対米投資審査を強化 トランプ政権 27業種対象に新規制

トランプ政権が3月にブロードコムによる買収を阻止したクアルコムの本社=米カリフォルニア州(ブルームバーグ)
トランプ政権が3月にブロードコムによる買収を阻止したクアルコムの本社=米カリフォルニア州(ブルームバーグ)【拡大】

 トランプ米政権は10日、航空機やミサイル、半導体など27業種を対象に、外資による対米投資への審査を強化する新規制を発表した。中国との貿易戦争が過熱する中、同国を念頭に米国の重要技術を保護する狙いがあるとみられる。

 新規制は8月に議会で成立した対米外国投資委員会(CFIUS)の権限を強化する新法に基づく。CFIUSは来月10日からあらゆる外国投資について厳格化した審査を行う方針。米政府によると買収以外にも取締役派遣や経営決定権の取得、非公開情報の開示も審査対象とする。

 中国との政治的緊張が高まる中、トランプ政権はCFIUSが企業間取引の阻止や変更を命じられる権限を強化している。新法によりCFIUSの国家安全保障をめぐる審査は任意ではなくなる。

 当局は新規制は中国企業を対象としていないと主張しているものの、中国企業による対米投資の審査を厳格化しているのは事実だ。トランプ大統領は昨年、中国企業による米半導体メーカーのラティス・セミコンダクターの買収を阻止。今年5月にも、中国が米国より優位に立つとの懸念から、中華系経営者が率いる米半導体大手ブロードコムによる同業の米クアルコムの買収阻止に動いた。

 米政府は中国によるサイバー攻撃へも警戒を強めている。ブルームバーグ・ビジネスウィークは先週、アマゾン・コムやアップルなど約30社が中国によるハッキングの攻撃対象となっていたと報じた。対象には国際宇宙ステーションとの通信やドローンの映像を米中央情報局(CIA)に送る技術を開発する企業も含まれていた。報道を受け、ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は中国による米国へのサイバー攻撃はトランプ政権が重視する反撃も辞さないサイバー戦略の正しさを裏付けるものだと表明した。

 また、ペンス米副大統領も先週、ワシントンでの演説で中国によるスパイ行為、関税、プロバガンダなどを例に挙げ、「米国の世論に影響を与えるために政府一丸となって取り組んでいる」と中国政府を批判した。(ブルームバーグ Saleha Mohsin、Jordan Robertson)