東証、社長の報酬減額検討 システム障害で改善報告へ

 東京証券取引所が9日に起きたシステム障害をめぐり、宮原幸一郎社長を含む幹部の報酬を減額する処分を検討していることが20日、分かった。取引安定化に向けた改善策や障害の原因を盛り込んだ報告書を、23日にも金融庁に提出する。証券会社と共同で訓練を行うなど再発防止に取り組む方針だ。

 今回のシステム障害では40社弱の証券会社が顧客からの売買注文の一時停止などに追い込まれ、各社による補償対象の注文が10万件規模に達する可能性がある。東証は安定的な市場運営が滞った責任を明確にすることが必要だと判断し、社内処分に踏み切る。ただ、影響が出た証券会社に対する賠償には否定的な見解を示している。