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トランプ氏のグローバリズム批判は「孤立主義」なのか  (1/3ページ)

 トランプ米大統領が11月6日の中間選挙に向けて候補者の応援演説でグローバリズム批判の旗幟を鮮明にしている。2016年大統領選で中西部を中心とするラストベルト(さびた工業地帯)の労働者たちを引きつけた「米国第一」のメッセージを繰り返すことで、与党・共和党の勝利につなげる狙いからだ。

 「私たちはグローバリズムの思想を拒否し、『わが国を愛する』という教義を信奉していく」

 トランプ氏は9月末、ラストベルトの一角にあるウェストバージニア州で聴衆に訴えた。数日前、国連総会の一般討論演説で唱えたのとほぼ同じせりふだ。米国に比べて中国の関税が高い状態に手をこまねいてきたことを愚かなことだと嘆き、中国からの輸入品に追加関税を課す対中貿易戦争によって「愚かな日々は終わった」とも宣言した。

 大統領選から参謀を務め、地球温暖化防止の枠組み「パリ協定」離脱などの政策を主導したバノン前首席戦略官兼上級顧問が昨年8月に辞任したことで、トランプ氏がグローバル化の流れを受け入れる政策に転じるとの見方もあった。

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