【中国を読む】スマートシティーによる社会変革 野村総合研究所・小川幸裕 (1/2ページ)


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 多くの中国の中核都市で、アリババ、百度などの「ITプラットフォーマー」が主導する「スマートシティー」の社会実装が急速に進んでいる。これらの都市では交通・医療・エネルギーなどさまざまな分野の行政機能が高度化され、自動運転など新技術実証の場となり、社会イノベーションを支えるインキュベーション機能を担うと期待されている。

 「ネット+」で脚光

 スマートシティーは中国でも決して目新しい言葉ではない。2012年発表の「国家智恵都市モデル都市計画展開に関する通知」を契機に、「中新天津生態城」など1000とも言われるプロジェクトが乱立。一部は不動産開発の投機プロジェクトの様相を呈し、計画倒れに終わった。

 いま改めて中国・スマートシティーに注目が集まっている。発端の一つは16年の第13次5カ年計画で明記された「インターネット+」行動計画だ。農業、製造業のみならず、エネルギーや金融、交通、電子商取引(EC)、公共サービスなどのサービス産業も含めた幅広いデジタル・トランスフォーメーションを実現することが明記された。IoT(モノのインターネット)とビッグデータを徹底活用している。

 牽引(けんいん)役を担うのはアリババ、百度、テンセント、京東集団などに代表されるウェブサービスを本業とするEC系プレーヤーと中国平安保険、通信機器のファーウェイなどの企業だ。

 ECサービスで獲得した高度なデータ処理・解析能力を強みに、住民のオンライン/オフラインの購買行動データを活用、地方政府と一体化した都市マネジメントのプラットフォームを構築している。

 中でも、アリババは17年11月に、中国科学技術省が発表した第1次次世代人工知能4大プラットフォーム発展計画で、中心的な役割を担っている。

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