貿易問題で米と協議継続へ 中国副主席言明、解決策探る

ブルームバーグ主催の「ニューエコノミー・フォーラム」で講演する王岐山国家副主席=6日、シンガポール(ブルームバーグ)
ブルームバーグ主催の「ニューエコノミー・フォーラム」で講演する王岐山国家副主席=6日、シンガポール(ブルームバーグ)【拡大】

 中国の王岐山国家副主席は6日、シンガポールで開かれた「ニューエコノミー・フォーラム」(ブルームバーグ主催)で講演し、中国政府が引き続き貿易問題の解決をめぐり米国と協議する用意があると言明した。一方で中国が海外の大国に再び抑圧されることはないと、くぎを刺した。

 王氏は貿易が米中関係のアンカー(錨(いかり))役であり、推進役だと表明。「右傾化したポピュリズム」や一国主義に対する懸念を示しながら、協議を支持する姿勢を見せた。

 王氏は「中国側はお互いの懸案事項について米国と協議し、双方にとって受け入れ可能な貿易をめぐる解決策に向けて作業を進める用意がある」「中国は平静と落ち着きを保ち、相互利益とウィンウィンの結果を実現するため、一段の開放性を採用する」などと語った。

 ただ、習近平国家主席の長年の盟友である王氏は「中国は帝国主義を掲げる大国によって屈辱を受け、抑圧されてきた」として「自国の道を切り開く」必要があるとも指摘した。

 ワシントンの戦略国際問題研究所(CSIS)の中国研究担当副部長、スコット・ケネディ氏はブルームバーグ・テレビに対し、「米中双方が一歩も引かない状況は今後も続くだろう。両国はそれぞれが優位に立っていると考え続けている」と指摘した。

 同氏は「トランプ大統領は米中が取引を望んでいる可能性を示唆しているが、実際には大統領に政治・経済的に極めて大きなメリットがあるわけではない。このため、米中はこのダンスを続け、われわれはそれを注視し続けることになると考えている」とも述べた。

 王氏は昨年、共産党政治局常務委員会を退き、中国の最も難しい職務を果たしてきた。2012年から17年にかけては、国家安全省高官を含む150万人以上を摘発した習主席の前例のない汚職取り締まりを統括した。また、1990年代には、同国初の投資銀行の設立に、モルガンスタンレー証券とともに携わり、米金融界重鎮や、トランプ政権チームから離脱したスティーブ・バノン前首席戦略官などともつながりがある。

 欧州委員会で貿易担当を務めた、ピーター・マンデルソン氏は、中国が世界貿易機関(WTO)などの国際機関で指導力を発揮することが世界の安定に不可欠だと話した。(ブルームバーグ David Tweed、Dandan Li)