トランプ氏 「ねじれ議会」でFRBへの圧力加速?

記者会見するトランプ米大統領=7日、ホワイトハウス(ロイター)
記者会見するトランプ米大統領=7日、ホワイトハウス(ロイター)【拡大】

 【ワシントン=塩原永久】米連邦準備制度理事会(FRB)が8日、力強い景気が続くとの見方から、12月の追加利上げを示唆した。だが、歴史的な低失業率などを誇るトランプ大統領は、利上げ路線を進めるパウエルFRB議長への批判姿勢を強めてきた。中間選挙の結果、野党に下院の多数派を奪われたトランプ氏が、金融政策の正常化を急ぐFRBの行方に立ちはだかる局面も想定される。

 同日の連邦公開市場委員会(FOMC)後の声明は「力強く拡大」との前回会合の景気判断を踏襲。9月に示した「年内あと1回」の利上げ見通しに沿って、金融政策を運営する自信をのぞかせた。

 FRBは来年3回の利上げを想定している。米経済は個人消費を追い風に実質経済成長率が7~9月期まで2四半期連続で年平均3%を超えた。年末商戦も消費低迷の気配はみえない。

 だが、中間選の選挙期間中、力強い経済を政権の成果だと訴えるトランプ氏は「(FRBは)利上げを急ぎすぎだ」「今や最大の景気リスクはFRBだ」などと述べ、パウエル議長にも矛先を向けてきた。

 6日の中間選で野党・民主党が下院で伸長。与党・共和党が過半数を維持した上院との「ねじれ議会」が生じた。トランプ政権にとり、昨年末に実現した税制改革に続く看板政策としたいインフラ投資や、選挙戦中に突然打ち出した「中間層向けの10%減税」は、議会審議を通じた実現のハードルが格段と高くなった。

 トランプ氏は中間選を受けた7日の記者会見で「失業率の数字をみてくれ」と強調するなど、堅調な経済を政権の追い風としたい意向をにじませた。トランプ氏が今後も、ツイッターなどでの“口先介入”でFRBに圧力をかける恐れが拭えない。そんなトランプ氏の姿勢は、来年から記者会見の回数を増やすFRBのパウエル氏の「市場とのコミュニケーション」には重荷となりそうだ。