ベトナム、稲作とエビで両立モデル農業 メコンデルタの汽水域で実施、収入の安定に

 ベトナムのメコンデルタのカマウ州では、稲作とエビの養殖を両立させるモデル農業が農民に安定収入をもたらしている。このモデル農業は2000年に実用化が始まり、いまではカマウ州がメコンデルタで最大級のエビ養殖地となっている。

 国営ベトナム・ニューズによると、コメの生産とエビの養殖を同時に行うことで、エビが稲の害虫を捕食し、化学肥料の使用量が減るなど、稲作にも好影響をもたらしている。

 カマウ州には水田が5万1500ヘクタール以上ある。うち18%はデルタ地帯の海水と淡水が混じり合う汽水域で、エビ養殖との両立が行われている。農民は、乾期にブラックタイガー種のエビを養殖し、雨期に稲作も行う。また、間作として大型の手長エビを養殖している。

 1ヘクタール当たりの収穫量は、コメ4トンに対し、ブラックタイガー300キロ、手長エビ200キロが標準的で、年間4400ドル(約49万円)相当の収入が得られるという。

 カマウ州当局は、稲についても汽水域に強い品種を採用して収穫増を促進していく方針だ。(シンガポール支局)