巨額貸し付け、中国への警戒強まる G20首脳会議


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 20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)では、途上国が中国に対して巨額の債務を抱える問題が議論された。巨大経済圏構想「一帯一路」の大型投資事業で各国に貸し付け、返済できなければインフラの所有権を得る覇権主義的な活動に警戒が強まった格好だ。もっとも、世界2位の経済大国である中国に遠慮する国は多く、G20として根本的な解決策を示すのは難しいといえそうだ。

 「一部の途上国が過剰債務にあえいでいる」。11月30日の討議では、参加国からこんな声が上がった。

 中国による巨額の貸し付けは、これまでのG20財務相・中央銀行総裁会議でも議題となっている。「中国も、借りている国も、全部でいくら債務があるのか正確に把握していない」(政府関係者)ため、全貌はなかなかつかめないという。

 そうした中、米シンクタンク「世界開発センター」が今年3月、一帯一路の参加国で特に中国への債務返済に危うさがあるのはジブチ、ラオスなど8カ国であるとの分析を発表した。国内総生産(GDP)の半分もの費用がかかる事業の融資の多くを中国に頼っているケースもあったという。

 昨年には、スリランカが借金を返せず、中国の援助で建設した港を中国国有企業へ引き渡すといった事例も出ている。市場関係者の間では、「かつて欧米の列強が植民地化を進めたのと同じ手口だ」と批判する声も上がる。

 ただ、G20には新興国も多く参加しており、自分たちの“代表選手”である中国の非難でまとまるのは難しいのが実情だ。サミットは最終日の1日に首脳宣言の取りまとめを目指しているが、過剰債務問題の解決にどこまで言及できるかが注目される。(山口暢彦、ブエノスアイレス 蕎麦谷里志)