【中国観察】キャッシュレスの「次」へ…アリババが参入した新形態スーパーとは (1/4ページ)

アリババグループが展開するスーパー「盒馬鮮生」の店内。来店客はスマホを使って商品の流通履歴などを確認できる=浙江省杭州(三塚聖平撮影)
アリババグループが展開するスーパー「盒馬鮮生」の店内。来店客はスマホを使って商品の流通履歴などを確認できる=浙江省杭州(三塚聖平撮影)【拡大】

  • アリババグループが展開するスーパー「盒馬鮮生」の店内。店内で購入した商品を調理してもらい、その場で食べる「イートイン」のスペース=浙江省杭州(三塚聖平撮影)
  • 「盒馬鮮生」で売られている肉商品。パッケージにある「4」は木曜日(中国語で「星期4」)に入荷されたことを示している=浙江省杭州(三塚聖平撮影)
  • 「盒馬鮮生」の店内。アプリで注文を受けた商品はスタッフが袋に入れ、店内の天井に張りめぐらされたレールを通って配送スタッフに送られる=浙江省杭州(三塚聖平撮影)

 中国社会のさまざまな領域で、ITの活用が盛んになっている。特にスマートフォンを使ったキャッシュレス決済が都市部を中心に急速に普及していることを背景に、流通や小売り、外食分野でサービスにITを取り込む動きが目立つ。技術力をテコに大手IT企業の“異業種参入”も活発になっており、中国の消費市場に変化を与えている。(三塚聖平)

 「ここはITを使った新形態の小売りを実感できる店舗です」

 中国電子商取引(EC)最大手アリババグループの広報マネジャーの趙亜楠氏が、杭州市の本社近くのビル内にあるスーパー「盒馬鮮生(フーマー・フレッシュ)」で笑顔を見せた。

 盒馬鮮生は、世界でも知名度を誇るIT企業であるアリババが展開するスーパーチェーン。ただ、店内に入ってみても、人間のスタッフに代わってロボットやドローンが働いているわけではない。果物や野菜がワゴンの上に置かれ、冷蔵陳列棚にはトレー包装された肉が並べられた普通のスーパーだ。とはいえ、店内をよく見てみると、アリババならではのITを使ったサービスが随所にあった。

 「宵越しの肉は売りません」

 店内に並べられた商品には、バーコードやQRコードが付けられている。それをスマホのアプリで読み取ると、商品の産地や流通履歴、調理方法など詳細な情報が確認できる。中国では2008年に有害物質が混入した粉ミルクが発覚するなど、「食の安全」を揺るがすような事件が度々起こってきている。中国の消費者の間では「安全なものを食べたい」というニーズが高まっていることから、盒馬鮮生ではトレーサビリティー(生産履歴の追跡)を重視しているという。

「不売隔夜肉」のキャッチコピー