【経済ななめ読み】通勤電車の小学生

 米国駐在当時、「日本は安全なんでしょ。小学生が一人で学校に通えるぐらい」と、よく話を持ちかけられた。スクールバスか親の車での通学が当たり前な地域だったこともあり、「子供一人での通学」は日本の美点とみられているようだ。

 確かに日本では朝6時台の通勤電車でさえランドセルを背負った子供がいる。つり革に手が届かないような小学生の電車通学をみると「なるほど日本は安全だな」と実感する。

 子供たちの中には車内で立ったまま本を読む姿も交じる。制帽の校章から察するに都心の有名小学校の生徒のようだ。立派なキャリアを積んで、世界に羽ばたくのだろう。

 でも、こんな朝早くから電車に乗っていて、きちんと眠れているのかと、ひとごとながら心配にもなる。子供時代から早朝の通勤電車が当たり前になれば、いつか心身ともにすり切れかねない。政府が「働き方改革」を主導せねばならないほどの勤勉すぎる国民性の根っこは、早朝の通勤電車の風景にある気もする。

 一方、わが家の次男は登校時間ギリギリまで動画投稿サイトに熱中している。働き方改革の実践中なのかもしれない。あたたかく見守るべきかどうか自信はないけれど。(生)