ボリビア、リチウム野心 EV向け需要急拡大 「電池大国」目指す (1/2ページ)

ボリビア西部ウユニ塩原で行われているリチウム原料の積み込み作業=10日(ブルームバーグ)
ボリビア西部ウユニ塩原で行われているリチウム原料の積み込み作業=10日(ブルームバーグ)【拡大】

  • リチウム電池事業を積極的に推進しているボリビアのモラレス大統領(ブルームバーグ)

 南米ボリビアが、電気自動車(EV)向けに需要が急拡大しているリチウム原料の採掘だけでなく、リチウム電池や電池用部材の生産大国を目指す野心的な取り組みを進めている。外国企業の支援を受けながら来年10月までに事業計画を具体化する見通しだ。

 ◆世界シェア20%計画

 ボリビア各地からの労働者の一団がバスに乗り込む。これから1日かけて勤務地へと向かう。高地の薄い空気、ぬかるみ、曲がりくねった悪い道、目がくらむほど真っ白な世界最大の塩の平原、これら全てがボリビアの天然資源、リチウムを採掘し、EV電池を作ろうと夢見る者の前に立ちはだかる。

 労働者らは同国西部のウユニ塩原で2週間働き、帰宅して7日間休む。アンデス山脈の海抜約1万2000フィート(3600メートル)の高地に世界レベルのリチウム採掘場を建設する試みだ。

 ウユニ塩原を上空から見ると、雪に覆われた平原と見まがう。乾期には塩が結晶化して、何百万個もの六角形のタイルがはるか遠くまで敷き詰められたかのようだ。雨期には塩原表面が浅く水に覆われて巨大な鏡のようになり、空を反射し水平線が見えなくなる。旅行者を引き付ける絶景だ。

 ただ、リチウムの採掘は観光客を集めることよりはるかに難しいものとなりそうだ。ほとんどの関係者が、ボリビアのリチウムで採掘事業を賄えるか疑問視する。

 しかし、ボリビア政府は、EVの電源や蓄電池に欠かせないリチウムの世界的な需要の恩恵にあずかろうと意欲的だ。最終的に同国を米EV大手テスラ製の100%EV全モデルと、2022年までに発売される約300のEVのほとんどに充電式電池を供給する生産国にするという壮大な希望がある。

 国営のボリビア・リチウム公社(YLB)でゼネラルマネジャーを務めるジュアン・カルロス・モンテネグロ氏は「4~5年以内にボリビアは世界のリチウム市場で重要な供給国となるだろうが、そこで計画が終わりではない」と話した。

 ウユニにあるパイロットプラントでは今年、独自技術を主体に250トンの炭酸リチウムを生産。5年以内に生産量を15万トンに引き上げる計画だ。実現すれば、22年までに同国産リチウムは世界シェアの約20%を占めるとみられている。

 ◆地上最も遠い採掘場

 ただ、計画を実現するには、地球上で最も遠い採掘場の一つからリチウムを採掘するリスクを喜んで引き受ける外国企業の支援が必要だ。

 ドイツのツィンマー・オプ・ロットヴァイルに拠点を置くACIシステムズ・アレマニアは、太陽光発電、電池、自動車産業へのプロジェクトマネジメント支援を行う独ACIグループの子会社で、ボリビアでのリチウム採掘を目的に設立された。ウォルフガング・シュマッツ最高経営責任者(CEO)は電話インタビューに応じ、「有力なリチウム購入希望者が貧困にあえぐボリビアに殺到している。ボリビアには思い入れがあり、さらなる信頼関係を築きたい」と話した。

 電池と、外部に電流が流れ出すカソード極側の部品の国内生産に向けた第一歩として、ACIはボリビアのモラレス大統領とリチウム事業設立に合意した。ACIとYLBがそれぞれ49対51の合弁事業として契約を具体化するが、ACIはプロジェクト資金を確保できていない。

埋蔵量2位 商用化の端緒