7衛星を次々投入 イプシロン、宇宙産業拡大へ新機軸 (1/2ページ)

7基の衛星を搭載したイプシロンロケット4号機の上部(JAXA提供)
7基の衛星を搭載したイプシロンロケット4号機の上部(JAXA提供)【拡大】

 鹿児島県肝付(きもつき)町の内之浦宇宙空間観測所で18日に打ち上げることが決まった小型ロケット「イプシロン」。今回の4号機は複数の衛星を初めて搭載するのが特徴だ。宇宙用の新技術を実証するための衛星7基を打ち上げ、宇宙産業の拡大につなげる狙いがある。

 イプシロンは平成25年に初号機を打ち上げた3段式のロケット。今回の4号機は昨年1月の3号機と基本構造が共通で、打ち上げの約50分後に高度約500キロで小型衛星を分離することも同じだが、その先にまだ仕事がある。

 小型エンジンの逆噴射を繰り返して小刻みに高度を下げながら、6基の超小型衛星を順次、軌道投入していく。機体上部に取り付けた新開発の衛星搭載部には、計7基の衛星が身を寄せ合うように設置され、打ち上げを待っている。

 政府はイプシロンで打ち上げた衛星を使い、宇宙用の部品や装置の性能を確認する実験を行う方針を宇宙基本計画に盛り込んだ。宇宙の利用や産業拡大が狙いだ。今回の打ち上げはこれに基づき、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が初めて実施するもので、背景には宇宙開発特有の切実な事情がある。

 ロケットや衛星はひとたび宇宙へ打ち上げると、修理に出向くことはまずできない。打ち上げ失敗や衛星の故障が起きると、数百億円の開発費が吹き飛ぶことになる。そこで機体には信頼性が確立された部品や装置を採用しているが、メーカーが技術革新などで旧来品の製造をやめると調達できなくなってしまう。

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