ヴァーレ、鉱山ダム事故で追加減産 鉄鉱石市場に供給ショック

ヴァーレの鉄鉱石を積み込むばら積み貨物船=昨年3月、ブラジル中部リオデジャネイロ(ブルームバーグ)
ヴァーレの鉄鉱石を積み込むばら積み貨物船=昨年3月、ブラジル中部リオデジャネイロ(ブルームバーグ)【拡大】

 鉄鉱石世界最大手、ブラジルのヴァーレは4日、同国のブルクツ鉱山で一部操業を一時停止すると発表した。1月に同国南東部ミナスジェライス州にあるヴァーレの鉱山ダムが決壊した事故を受け、裁判所がヴァーレに安全性改善を指示したことに従った。同鉱山の操業停止により年間約3000万トンの鉄鉱石生産が失われる恐れがある。

 ヴァーレは先週、一部鉱山ダムの閉鎖に伴い、年間4000万トンの鉄鉱石の減産を見込むと発表したが、今回の分はそれに追加される措置。

 ヴァーレは同日、ブルクツ鉱山に加え、先週発表した減産計画の一環として、年間産出量約1300万トンのヴァージェン・グランジ・コンプレックスでの操業も一時停止すると発表した。

 この発表を受け、米証券ジェフリーズは4日のリポートで、「鉄鉱石市場にとって漸進的な供給ショックとなる。鉄鋼価格は予想より高い水準で下支えされることになるだろう」と指摘した。

 先週のヴァーレによる減産の発表により、鉄鉱石市場には既に激震が走っている。ヴァーレに対する規制強化で供給が落ち込むとの懸念の高まりから、鉄鉱石の価格は1月末以来高騰し続けている。ヴァーレはブルクツ鉱山が決壊事故の起きたダムとは性質が異なると主張しており、裁判所の操業停止の命令について上訴を含む法的措置を検討している。

 英銀バークレイズのアナリスト、イアン・リトルウッド氏は「ヴァーレが異議申し立てに失敗してブルクツ鉱山が閉鎖した場合、今年の世界全体の産出量の拡大がほとんど帳消しになる可能性がある」と指摘。バークレイズは当初、2019年の世界の産出量が3400万トン拡大するとみていた。

 中国の港湾におけるブラジル産鉄鉱石の在庫は先週、昨年11月以来初めて減少した。(ブルームバーグ R.T.Watson)