NYタイムズ紙「アレクサ」向け番組を提供

アマゾン・エコー(ブルームバーグ)
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 米紙ニューヨーク・タイムズは、米アマゾン・コムのスマートスピーカー向けに5つの番組を提供するなど、オーディオ分野のサービス拡充を図っている。

 同紙のポッドキャスト「ザ・デイリー」は、対話するスピーカー「アマゾン・エコー」に搭載された音声アシスタント「アレクサ」を使い、平日にニュースダイジェスト(要約)の提供を開始。独フォルクスワーゲン傘下の自動車メーカー、アウディがスポンサーを務め、無料で提供される。ニュースを読み上げるのは「ザ・デイリー」のホストを務めるマイケル・バルバロ氏だ。

 167年の歴史を誇る同紙は、紙媒体への依存を減らす取り組みを進める一方で、デジタル配信の新たな形態を模索している。新番組は、「グーグル・ホーム」や「ホームポッド」といったスマートスピーカーの売り上げ増に乗じたものでもある。アマゾンは1月初め、アレクサ搭載製品の売り上げが1億台を超えたと発表した。

 ポッドキャスト「ザ・デイリー」は、特定のニュースに深く切り込む約20分の番組だ。これに対し、ニュースダイジェストは3分ほど。アマゾン・エコーの利用者が「アレクサ、ニューヨーク・タイムズのニュースダイジェストを読んで」と呼びかければ、読み上げが開始される。

 難点の一つは、画面がなければ新機能に気づきにくいという点だ。そこで同紙は、日曜日に発行する印刷版に、音楽や本を聴くためにアマゾン・エコーを所有している読者を新サービスに取り込むための策を盛り込む。さらに、毎週金曜日には双方向性の多肢選択式クイズも実施する。

 通勤から歯磨きまで、日々の生活に適したさまざまな長さのポッドキャストが登場し、オンデマンド型オーディオは進化している。天気予報やニュースを手早く知るためにスマートスピーカーを使う人もいれば、音楽や1時間に及ぶポッドキャストを聴きたい人もいる。

 同紙の進出先には既に多数の競合がいる。米AT&T傘下のCNNや米紙ワシントン・ポストといった大手メディア企業も、アレクサ向けにニュース速報を提供する。そうした中で関係者によると、「ザ・デイリー」は昨年、1000万ドル(約11億円)以上の広告収入を生み出した。

 アウディは今回初めてアマゾン・エコー向けに「スキル」と呼ばれる機能を開発。アレクサはアウディの新型電気自動車(EV)に関する質問に答えられるようになる。同社は双方向性音声スピーカーが消費者に近づく新たな手段になるとみている。(ブルームバーグ Gerry Smith)