ボーイング、超音速機を加速 2023年初飛行計画 新興企業に出資

アエリオンの超音速ビジネスジェット機「AS2」のCG(同社提供)
アエリオンの超音速ビジネスジェット機「AS2」のCG(同社提供)【拡大】

 米航空宇宙大手ボーイングは5日、超音速ビジネスジェットのスタートアップ企業アエリオンと資本業務提携すると発表した。アエリオンは10年以上にわたり開発を進めている超音速ビジネスジェット「AS2」の初飛行を2023年に目指しているが、ボーイングの支援により計画が大きく前進しそうだ。

 ボーイングはアエリオンに「多額の投資を行う」としているが、具体的な金額は明らかにしていない。ボーイングはAS2の市場投入に向け、技術や製造、飛行試験でアエリオンを支援する。

 アエリオンへ出資する航空機メーカーはボーイングが初めて。アエリオンはこれまで超音速ビジネスジェット機の設計・製造で欧州エアバス、米ロッキード・マーティンなどと提携してきたが、いずれからも出資を受けていない。

 ボーイングの新部門ボーイング・ネクストのスティーブ・ノールドンド副社長は「2社が提携することにより、超音速機によるフライトの未来を持続可能なものにすることができる」と力を込めた。

 AS2は、12人乗りで時速約1000マイルと従来のビジネスジェットよりも70%速い速度で飛行できる。太平洋横断の飛行時間は3時間短縮する。

 ボーイングは近年、超音速飛行に本腰を入れている。同社は音速の5倍(マッハ5)を超える速度で飛行できる航空機の実用化を目指し、毎時3800マイル以上の速度で飛行する超音速機の構想を昨年に発表。また、ボーイングのベンチャーキャピタル(VC)部門、ホライゾンXは超音速機や宇宙船の推進装置の開発を手掛ける英航空宇宙会社リアクション・エンジンズに投資を行った。

 超音速機をめぐっては、仏超音速機「コンコルド」が騒音と運航コストの問題で03年に引退に追い込まれた。米ゼネラル・エレクトリック(GE)は昨年10月、騒音規制をクリアした上で超音速で飛行できるAS2向けのエンジンの初期設計を終えたことを明らかにした。(ブルームバーグ Thomas Black、Julie Johnson)