日銀マイナス金利3年、元日銀理事の早川英男氏に聞く (1/2ページ)

インタビューに答える元日銀理事の早川英男・富士通総研エグゼクティブ・フェロー
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 日銀がマイナス金利政策を導入して16日で丸3年となる。超低金利によって経済に好影響を与えたとの見方がある一方、物価上昇率2%の目標は達成できず、地方銀行の経営悪化など副作用を懸念する声も多い。これまでの評価と今後の展望を元日銀理事の早川英男・富士通総研エグゼクティブ・フェローに聞いた。

 --マイナス金利政策は効果があったのか

 「限界が近いと指摘されていた大規模な金融緩和策を持久戦に衣替えし、景気を下支えしたという意味がある。2013年4月に導入された大規模な量的緩和は、世の中に出回るお金を増やすため、新規発行額を大幅に上回る国債を日銀が購入する政策だ。いずれ日銀が買える国債がなくなりかねなかった」

 --金利は下がったが、物価上昇率2%の目標は達成できていない

 「マイナス金利の導入前、中国経済への不安などから市場が動揺しており、残念ながら円高株安の流れに逆らえきれなかった。原油安、賃金の伸びの低さもあり、物価の上昇は鈍い。ただ、16年9月には短期金利に加え、長期金利も操作する政策を導入した。物価2%に向けた政策の持続性は高まっている」

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