米マクドナルド改装トラブル FC店との「壁問題」

米シカゴのマクドナルド本社内にある店舗(ブルームバーグ)
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 米マクドナルドには独自の「壁問題」がある。

 世界最大の外食チェーンである同社は、改装計画に新たな壁の設置を含めたことで、米国内のフランチャイズチェーン(FC)加盟店と対立している。見苦しい機器類を隠し、キッチンの騒音を遮断することを意図した壁をレジとキッチンの間に設けることについてFCオーナーらは、資金の無駄で顧客サービスや業務の向上にはつながらないと主張する。

 FC加盟店は1月、仲間の店舗経営者らに向けた手紙の中で「画一的な再投資計画に無駄な資金を使う余裕はない。私たちは再投資の実権を取り戻し、無駄で問題のある投資(壁設置)を止め、実際に利益を生む投資(ドライブスルーやキッチン)に焦点を当てるべきだ」と述べた。

 マクドナルドが強力に推し進める米国内数千店舗の改装計画には、最近こうしたトラブルが発生している。

 競争相手の一歩先を行き、既存店売上高を伸ばし続けるため、同社のイースターブルック最高経営責任者(CEO)はセルフオーダー端末の導入やドライブスルーレーンの増築といった改装を支持する。一方で同社によれば、高額な改装費用に不満を持つFC加盟店をなだめる必要があることから、計画には数年の遅れが生じている。マクドナルドの世界3万7000店舗のうち、90%以上はFC店だ。

 同社は内部での議論についてはコメントしなかったものの、「引き続きFC加盟店と連携し、彼らが素晴らしいレストランを経営し、顧客に質の高い体験と利便性を提供するために必要な支援を行っていく」と述べた。

 マクドナルドのFC加盟店は昨年、親会社と「真の協力関係」を育むため、「ナショナル・オーナーズ・アソシエーション(NOA)」と称する新組織を立ち上げた。NOAはキャッシュフローや利益率といった問題を議論する集会を開催。昨年12月には1200を超えるFC加盟店や仕入れ業者がダラスに集結し、壁設置を含む改装問題も重要な懸念事項に挙がった。

 約245のFC加盟店を対象にNOAが実施した調査によれば、大きな壁を設置するといった改装作業は加盟店にとって高くつく可能性がある。キッチンから顧客の出入りが見えなくなるなど安全上の懸念も浮上した。

 NOAのブレイク・キャスパー会長は1月15日付の手紙で、「壁が無駄な投資だと考える場合、FC加盟店は改装計画を中止すべきだ」と述べた。(ブルームバーグ Leslie Patton)