【ビジネス解読】10連休、景気どうなる 旅行増加でも生産は停滞 (2/3ページ)

保安検査場の入場を待つ利用客の列=平成30年4月28日、千葉県成田市の成田国際空港第2ターミナル(吉沢良太撮影)
保安検査場の入場を待つ利用客の列=平成30年4月28日、千葉県成田市の成田国際空港第2ターミナル(吉沢良太撮影)【拡大】

  • 海外に向かう旅行客でにぎわう関西国際空港の国際線出発ロビー(彦野公太朗撮影)

 熊野氏は「5月1日が改元初日となることで、皇居のある東京に旅行してみたいと、旅行を計画する人もいくらか増える効果が見込まれる」などと指摘。総務省の家計調査をもとに、GWの国内旅行関連消費は昨年の1兆1501億円(推定値)から3323億円増の1兆4824億円に膨らむと試算する。

 これに、増加する訪日外国人の消費額などを加えると、今年の年間の国内旅行消費額は前年に比べ6911億円の増加が見込まれるという。

 全産業ではマイナス

 一方で10連休が景気に与える悪影響を懸念する声もある。

 ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎経済調査室長は「休日が増えることは必ずしも景気にプラス効果をもたらすとはかぎらない。製造業では工場の稼働日数が減ることで生産量が抑制される可能性がある」と指摘する。

 斎藤氏によると、鉱工業生産、第3次産業活動指数などの季節調整モデルを使って、祝日の増加による経済活動への影響を業種別に検証したところ、旅行、宿泊、外食などを含む生活娯楽関連サービスでは押し上げ効果があるものの、鉱工業、第3次産業、全産業では押し下げ効果があることが確認されたという。

 GWが10連休になったことにより、4月30日から5月1日が平日だった場合と比べると、4~6月期の実質国内総生産(GDP)は5267億円減少するという。

「経済活動の落ち込みは一時的」