REIT過熱に警戒感 株式市場不安定で不動産に資金流入 (2/3ページ)

 SMBC日興証券の鳥井裕史シニアアナリストは「円建てでこれだけ魅力的な商品は他にほとんどない。東証リート指数はじりじり上がり続け、年末に2千ポイントまで上昇するだろう」と予想する。

 投資家の顔ぶれも多様化してきた。このところ存在感を高めているのは、地方銀行などの地方金融機関だ。みずほ証券の大畠陽介シニアアナリストは「マイナス金利導入後は信用金庫や信用組合もリートの上場投資信託(ETF)を買うようになった」と話す。

 そんな中、不動産市場への過剰な資金流入を警戒する声も出始めた。日本銀行の前総裁で、在任中にリート買い入れを決めた白川方明氏は8日の講演で「多くの金融危機は不動産バブルによって引き起こされた」と指摘。国内不動産業向け貸し出しについて「赤信号に近いけれども、ぎりぎりのところで青信号に収まっている」と述べ、バブル発生の予兆を察知するため、経済情勢に対する感覚を研ぎ澄ます必要があると訴えた。(米沢文)

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