PMI利益見通し下方修正 カナダの喫煙者訴訟で賠償命令

 米たばこメーカー、フィリップ・モリス・インターナショナル(PMI)は2019年の利益見通しを下方修正した。カナダでのたばこ業界の存続を脅かすとされる判決が背景にある。PMIとブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)は上告を予定している。

 BATとPMI、日本たばこ産業(JT)それぞれのカナダ子会社は1日、ケベック州の住民が起こした集団訴訟の控訴審で、約170億カナダドル(約1兆4200億円)の損害賠償を支払うよう命じられた。

 シティグループのアナリスト、アダム・スピールマン氏は、たばこ大手がこの訴訟に敗れることになれば、各社ともカナダ法人を管理下に置かなければならなくなるだろうと指摘する。たばこ各社はカナダの10州でも医療費請求訴訟を抱えており、さらなる賠償金支払いを命じられる可能性があるという。

 ケベック州控訴裁判所は1日、下級審判決を大枠で支持。同訴訟では、喫煙中毒や関連した病気をめぐり、事前にそうしたリスクを知らされなかったと訴える喫煙者たちの損害賠償請求を認めた。

 PMIは同判決を理由に、今年の利益見通しを1株当たり9セント引き下げた。また、請求者の人数と請求の処理方法が「明確さを大きく欠く」ため、「最終的な債務は判決の金額と大きく異なる可能性がある」と警告した。

 BATとPMIのカナダ法人は、それぞれ連邦最高裁に上告する構え。JTI-マクドナルド(JTI-MC)は「あらゆる手段を検討」すると、親会社のJTが述べた。(ブルームバーグ Ellen Milligan、Sandrine Rastello)