【経済インサイド】損保、「データサイエンティスト」確保に四苦八苦 (1/3ページ)

研究拠点には自動運転車の遠隔監視・操作などのサポート体制を整備=平成30年9月27日、東京都中野区
研究拠点には自動運転車の遠隔監視・操作などのサポート体制を整備=平成30年9月27日、東京都中野区【拡大】

  • 研究拠点では自動運転車の遠隔操作や操舵介入などのサポートができる=平成30年9月27日、東京都中野区
  • 記者会見する日本損害保険協会の西沢敬二会長=平成30年9月20日、東京都中央区

 損害保険業界で、人工知能(AI)などを活用して大量のデータを分析し、商品やサービスの改善に役立てる「データサイエンティスト」の確保が課題となっている。今後、データを分析できる技術者の数が企業と国の未来を決めるとされており、そうした人材の争奪戦は業種、国境を越えて激化している。雇用条件の良い国内外のスタートアップ企業や自動車業界などに人材は流れがちで、損保業界の人材確保の苦労は他業種以上だ。

 追いつかない人材確保

 AIやビッグデータなどデジタル技術の進歩で、災害や事故リスクを予見できるようになれば、リスクに備えた従来の保険商品は売れなくなるとも予想されている。そのため、保険業界では、AI技術を活用した新たな保険商品やサービスの開発を急いでいる。すでに、ドライブレコーダーやAIを活用して契約者の運転の仕方や事故状況を分析し、保険料や事故時の過失を判定するなどの新サービスを開発している段階だ。

 ただ、開発に必要な人材確保は追いついていない。経済産業省の推計では、先端IT人材は平成32年に4.8万人不足する見通しという。だが、「IT系人材はより先進的な技術を求める自動車業界やスタートアップ企業を選びがちで、保険業界の人材確保は厳しい」(損保大手幹部)のが実態のようだ。

給与面でも“困難”